脳神経センター
脳神経センターの特色
脳神経センターでは脳神経内科と脳神経外科の医師が共同で診療にあたっており、脳・神経疾患に対して、内科と外科の双方の視点より検討、治療いたします。
定位放射線手術
リニアックとガンマナイフの両者を有する世界でも数少ない医療施設です。
当センターは両者の特徴を有効に活用することにより、患者さんの病状に合わせた定位放射線手術を行います。
ガンマナイフ
Gamma Knife 1997年開始(2018年 機器更新)
身体に負担をかけずに脳腫瘍、脳動静脈奇形、三叉神経痛などを3日間の入院で治す画期的な頭蓋内疾患専用の定位放射線手術装置です。
北陸初のガンマナイフ施設として年間300例、通算6900例を達成しています。
リニアック
Novalis 2004年開始
VersaHD 2024年開始
強度変調型放射線治療(IMRT)を行う定位放射線手術専用リニアックです。
頭頚部、脊椎、脊髄、体幹部の腫瘍を体に優しい放射線メスで安全に治療します。
鍵穴からの手術 Keyhole Surgery 1994年~
眉に沿う極めて小さな皮膚切開、鍵穴のように小さな開頭(2×3㎝)で、脳動脈瘤や脳腫瘍を手術する高度な術式を開発し、身体の負担の軽減や手術時間の短縮が可能となりました。一般の開頭術後に見られる額の陥没が起こらないため、美容的にも優れた方法です。
てんかんの外科治療
パーキンソン病に対する視床下核刺激法
パーキンソン病に対する視床下核刺激法 2005年~
パーキンソン病は中脳の黒質で作られる神経伝達物質の一つであるドパミンが減少して起こる病気です。
自分の意志に反して手足が震えてしまう(振戦)といった不随意運動の症状をきたし、体の動きを思うようにコントロールできないため、日常生活が大変不便なものになります。
当センターの特色としては、、鑑別すべき種々の神経変性疾患の脳画像を最も鮮明に捉えることのできる3テスラMRI装置や、パーキンソン病の補助診断として必須の心臓MIBGシンチグラフィー、術前・術後の心理検査を行う臨床心理士など、充実した医療設備、医療スタッフを備えています。
薬剤治療が困難又は不十分なパーキンソン病に対して、絶大な効果を示します。視床下核を持続的に電気刺激することにより振戦、無動、筋硬縮などの症状が消失します。
当センターでは脳神経内科医が治療の適応を判定し、脳神経外科医が刺激電極を設置します。
脳深部電気刺激治療法
振戦、ジストニアなどの不随意運動に対し、脳深部を刺激することで治療する方法は1980年ごろからヨーロッパを中心に開発され確実な効果が確認されています。
現在この方法は世界的に臨床応用され既に40,000症例、そのうち我が国では4,000例の患者さんで効果を発揮しています。
パーキンソン病に対するDBSの効果
パーキンソン病の三大症状である振戦・無動・固縮は診断治療の開始から約4-5年経ちますと徐々にその効果が薄れ、薬の効き目が短時間となり、また効果も不十分になります。
専門医は薬を増やし、調節して何とか日常生活をより良いものにしようと努力して、レボドパだけでなく、アゴニスト、アマンタジン、更に新しいMAO-B阻害薬、COMT阻害薬などを加えることになります。
このような状態になると薬の効き目のオン・オフ状態を含む日内変動、激しい不随意運動、発汗過多などの症状が加わり薬物療法の限界が見えてきます。このような状態の患者さんで脳深部刺激療法・DBSが効果を発揮して、オン・オフの状態やジスキネジアを約50-60%の患者さんで改善させることができ、また薬の量も確実に減らせる刺激法として確立しており、当院での成績も世界レベルと同様の効果を得ています。
当院におけるDBS治療の体制
パーキンソン病について経験豊富な脳神経内科医と脳深部刺激療法に必要な脳定位手術の経験豊かな脳神経外科専門医が連携して、術前検査を含めて適用を厳しく検討してDBS治療法を行っています。
また、最も大事な術後の長期外来通院フォローは、刺激条件の設定・変更を含めて専門の脳神経内科医がきめ細やかに行っているのが特徴です。
当院DBS治療の流れ
DBS治療の当院での一般的な流れをお示しします。
治療の相談・適用の決定 |
脳深部刺激法(DBS)の仕組み |
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入院・検査 |
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手術 |
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電極の植込み |
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※テスト刺激では、最良の刺激部位、条件を確認・決定 |
テスト刺激(1週間) |
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パルス発生器(電池)の植込み |
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退院・外来通院 |
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約14-20日以内の入院で調節を終わり、外来通院となります。 |
ご不明な点などございましたら、脳神経センターまでお問い合わせください。